|
|
当院は、日本医療機能評価機構(JCQHC)より“一般病院A”の評価を受けました。ここでは、認定報告の中から審査の統括をご紹介いたします。詳しい審査結果は「病院機能評価結果」をご覧下さい。 |
総括
貴院は、全世界に537の病院と診療所を展開するアドベンチスト医療グループの一員で、神戸市北区に宗教法人立として開設されて以来30年、急性期から慢性期までの病院として活躍されている。10年前からは兵庫県で初のホスピスを開設し、アドベンチスト医療の「全人的癒しをめざして(To
Make Man
Whole)」のモットーから「キリストの愛と確かな医療をもって心と体の癒しをめざします」との理念のもとにトータルな医療を目指して精進し現在に至っている。特徴として、米国で研修を受けた医療者が多いため英語に堪能な職員が多く、神戸の全域から外国人の受診者が多く来院すること、特に創立以来日曜日に終日通常診療を行っていることがあげられる。また、禁煙プログラムの実施、生活習慣病予防教育・菜食主義の実践・地域住民への健康教育など実施、17回を数える健康祭などは評価される。今後は、一般病院として医師の数を充実し、さらにグローバルスタンダードの医療を目指し、患者様中心の医療の実現をすべく努力されており、貴院の一層の発展に期待したい。以下領域の総括を述べる。
(1)病院の理念と組織的基盤
理念・基本方針は明文化されている。内容は地域のニーズからも妥当であり、見直しも適切である。職員への周知は、朝の礼拝での唱和や名札の裏への記載などにより行われている。患者や地域住民へは、外来案内、広報誌への記載、玄関など院内掲示にて周知するよう努力されている。病院組織としては、委員会の位置付けが不明瞭のものがあり、また、組織図は業務の実態に即していない部分が見受けられる。特に三育センターでの訪問看護が事務部長の管理下では実態と即していない。委員会を含めた組織図の見直しをされたい。職務・職制の規定は整備され、事業計画も適切に作成されている。職員は名札を着用し、各部署の責任者も部署ごとに明示されており、患者への責任性は明確である。医療法、消防法の遵守に関しては適切である。職員の研修や教育は、院内教育委員会を設置し、またCMEポイント制度を採用し、活性化していることは評価される。実施記録を残し、またアンケート調査なども継続的に行い、次の教育・研修計画の参考にすることが望ましい。患者の権利を尊重する方針もおおむね徹底されている。病院の中・長期計画は人事評価制度や教育研修など多岐にわたり議論されており、職員のみならず、モニターの意見も取り入れて検討されており適切である。
(2)地域ニーズの反映
開設時より、全人的癒しを原点として地域住民ならびに神戸全域の外国人がかかれる病院としての自院の役割を認識している。また地域における病院の役割を明確に認識し、広報誌等も刊行して病院の紹介に努力されている。 自院の救急医療における役割は明確にされているが、対応手順及び記録の整備に努められたい。また、時間外の緊急検査体制についても見直されたい。 医療の継続性については、体制の整備を図るとともにより一層積極的に取り組まれたい。
(3)診療の質の確保
診療の責任体制はおおむね明確となっている。診療内容の評価・検討では、症例検討会の開催頻度を増やすよう検討されたい。診療計画書の記載はおおむね良好であるが、診療録はさらに判りやすく記載することが望ましい。診療録の管理は適切であるが、診療情報の有効活用をさらに促進されたい。学会や研修会の参加は積極的であるが、その成果の検討が明確になるよう考慮されたい。臨床検査部門の体制は適切に整備されているが、生体検体の病理診断についてはさらに迅速化することを期待したい。安全性や精度管理はおおむね良好である。画像診断部門では機器装置が充実しており、患者・職員に対する安全確保の方策も十分にとられ適切である。薬剤部門は適切に整備され、麻薬、向精神薬の保管・管理も適切である。救急体制については、さらに機能的になるよう工夫されたい。
(4)看護の適切な提供
看護部の理念の周知・目標管理はいずれも適切である。組織図については、実態が反映されていない部分があるので、見直されたい。看護ケアの提供については、看護基準・手順が整備され、看護過程の展開も適切に行われている。今後は、患者・家族への説明と同意を徹底し、看護の継続性と連携体制を整備し、一貫したサービスの提供にさらに努力されるよう期待したい。看護職員の教育研修に対する取り組みも、ホスピス病棟へ外部からの研修者を受け入れ、看護書籍の発行も多く、教育環境に効を奏している。
(5)患者の満足と安心
患者の立場と意見の尊重については、おおむね配慮がなされている。診療に対する説明については、患者の理解を容易にする工夫や、記録の充実が望まれる。患者の食事の提供については、毎日個々の患者の喫食状況を把握し、メニューに反映していることは評価できるが、根菜食を特徴としていることから、栄養指導、食事指導の充実が望まれる。患者サービスの配慮では、外来待ち時間の短縮については、さらに工夫されたい。院内環境は一応整備されているが、掲示物の表示方法や色彩に関してはさらに検討し、デイルームの雰囲気作りにも配慮を期待する。禁煙に対しては30年前から取り組み、教育で院内禁煙を徹底し、また職員採用の条件としても明示するなど、他の模範となる活動が認められる。安全体制の確立については、廃棄物の処理、事故災害に対するマニュアルの整備などに関して組織的に対応し、良好な状態である。
(6)病院運営管理の合理性
人事管理の体制は、就業規則、給与規定があり、職員への周知も適切である。人員に関しては、過剰な部署が見受けられる一方で、ソーシャルワーカーが1名であるなど、全体的には適正と言い難い。今後は医療の質向上のための適正な人材確保が望まれる。人事考課については、院内の活性化を目指し、合理的な評価基準を作成されることが望まれる。職場の環境整備に関しては評価される。財務管理については、今後は病院会計準則に基づく会計に変更していくことを期待する。また、経営分析は医業外収益を頼らない運営ができるよう、詳細な分析を期待する。施設・設備の管理では、保守・点検、年次の保守計画、記録・マニュアルの整備などが適切に行われている。医療機器の保守点検に関しては、ME委員会で点検されており適切である。物品管理は、棚卸しならびに購買のシステムは適切であるが、経営改善には貢献できていない。今後は物品管理のシステムについて検討をされたい。なお、診療材料は診療報酬請求との関連に関して検討し、経営改善に役立つように構築されたい。医事業務に関しては、レセプトは医師がすべて必ずチェックできる体制を構築されたい。業務委託では、委託業者の見直しと質管理、委託業者の教育などについてさらに努力されたい。医療事故防止への対応ならびに職員の事故防止への対応は、報告、検討、教育ともに随時行われており、適切である。 |