神戸アドベンチスト病院 神戸アドベンチスト病院ホームページへ

内観療法について

当院の心療内科と内観療法

 当院の心療内科では、診察に来られた患者様が内観療法を希望された場合、医師が診察や検査を通して患者様に内観療法が適応があるかどうかを見極めたう上で、内観療法を行っている施設(主には、富山県にある北陸内観研究所)をご紹介しています。また、施設で集中内観のサポートを診察の中で行っていきます。

内観療法とは…?

 「内観」とは、「心の内を見る」方法で、吉本伊信(1916〜1988)によって開発された自己探求法です。この方法は、浄土真宗の一派に伝わる「身調べ」という求道法から発展してきたもので、現在では一宗一派に偏った宗教的色彩を取り除き、老若男女誰でもができるような形にした精神修養法であり、人格改善法であり、精神療法であります。…※「内観療法入門-日本的自己探究の世界-」三木善彦(株)創元社 1976.2.10の序文より
 内観が進むにつれ、問題が整理され、過去との和解が始まります。一人で生きてきたのではなく、多くの人々に「生かされてきた」ことに気づいていくのです。その気づきにより、いままでとはまったく違った視点から人生をとらえることができるようになります。そして、その新しい人生のとらえ方が、瑞々しい活力となって全身にみなぎってくるのです。… ※「内観〜こころは劇的に変えられる」横山茂生・長島美稚子(株)法研1997.7.1より

「幸せ」を探す旅…内観

 人は誰でも「幸せ」を求めて生きています。物質的に豊かになった今、こころに目を向け「幸せ」探しの旅をする人が増えています。その幸せ探しの一つが内観です。

●悩む人へ…内観とは?

 悩みを軽くするには、外界の環境(家庭や社会など)を自分に好ましいものにすることも一つの方法です。しかしそれだけでは、また同じ悩みに陥る可能性がありますし、外界自体はそう簡単には変わらないのが現実でしょう。もう一つの方法として、それとは逆に自分を変えること、強くすることがあげられます。つまり自分が強くなれば、外界が変わらなくても悩みは起こりにくくなるのです。その、自分を変える方法の一つが、内観です。
 悩んでいる人は暗いこころの渦に巻き込まれ、一方的な見方、主観的な見方でしか問題をとらえられないことが多々あります。つまり、どうしても他人に責任を押しつけたり、自分に都合のいいような考え方---「外観」になりがちなのです。「どうしてこんな苦しみ(悩み)が起こるのだろう」と原因を探ろうとしても、「あの人が悪いからだ。会社が、学校が、社会が悪いからだ」と、悩みの原因を外に求めてしまいがちになってしまうのです。
 しかしそれでは憤りだけが残って、悩みの原因は何ら解決されない場合が多いのではないでしょうか。多くの人は「いろいろと悩みに対して解決の方法を模索してきたが、どうにもならない。万策つきた」と、迷い悩んだ末に内観研修所にやってきます。

●内観と外観。

 そう、内観は自分の中に、悩みの原因を根本から問いかけていく方法です。違う側面から悩みを見ていこう、というのが内観です。他人を罰するような思考になりがちな外観と違って、他者の愛を感受しながら自分を見つめることが目的です。 …※「内観〜こころは劇的に変えられる」横山茂生・長島美稚子(株)法研1997.7.1より

内観の目的

内観をされる人の目的はさまざまです。
  • 自己を深く見つめ、真実の自己を探求したい。
  • いかなる逆境にあっても、それを乗り越えて生きて行きたい。
  • 企業研修の一環として。
  • 受験勉強に集中力を付けたい。
  • 性格をなおしたい。
  • 心身の不調を克服したい。
  • 家庭や学校・職場での人間関係のトラブルを解決したい。
  • 心理療法の研究をかねて体験したい。
  • 職場(学校・病院・矯正施設など)で内観法を実地する必要上。
  • その他、人生上の悩みを解決したい。

※「北陸内観研修所」研修のご案内より抜粋

●集中内観の方法

内観法は研修所に一週間宿泊して研修する「集中内観」と、帰宅後各自、家でする「日常内観」があります。
楽な姿勢で座ります。
基本的には母(または母親代わりの人)に対する自分を以下の3点(内観3項目)について、具体的な事実を調べます。
1)世話になったこと
2)して返したこと
3)迷惑かけたこと
調べるのは年代順。小学校低学年〜高学年〜中学校時代というように年齢を3〜5年ずつに区切って、現在まで調べます。
以上が済めば、通常、養育費の算出をします。
そして、母に対する自分を調べたように、父、配偶者、知人、子供など身近な人に対する自分を同様の観点から順に調べます。

※「北陸内観研修所」研修のご案内より1部改変して引用

集中内観の様子

 内観研修所は、内観をする場所を提供するところです。一週間という期間を限定し、集中して「自分を見つめる」ことができるように環境を整えています。研修所の内部は簡素な作りです。部屋に屏風が置いてあるだけ。その中で内観をします。屏風は母親の胎内のように安らかな場所。悩みの多い外界から遮断し、外から内観している姿を見えなくしています。自分だけの世界を作り上げているのです。屏風は、母親代わりともいえます。母親に守られているからこそ、自分の本心をさらけ出すこともできるのです。このさらけ出された本心を聞く人を、面接者といいます。内観について豊かな経験とノウハウを体得した人で、内観をする人の水先案内人のような役目を勤めます。面接者は、研修中の生活そのものも「癒し」と「気づき」を助長する材料となるよう、心がけています。研修中、ほっと息を抜けるのは食事、入浴、掃除の時。ところが、研修所は外界から遮断されているので、わずかに外界を感じさせてくれるそれらのことが、さまざまなことを思い出す引き金となる場合があります。五感に感じるものに触発され、こころの奥から気づきわき上がってくるのです。年代を順にさかのぼり過去を振り返ることで、内観者は「育ち直し」をしているともいえるでしょう。研修所では生活に必要な最小限のことしか提供していません。しかし、家庭での温かさを「育ち直し」の中で味わい、「悩み」に立ち向かう活性剤になるよう、さまざまな工夫がなされているのです。
 内観の大前提は「内観者の意志」を尊重することですので、帰りたいといえば引き止めません。内観者の自由意志で研修所は動いています。帰る途中、引き返してきて内観を続けたいと申し出る人もいますが、こんなときも即座に受け入れます。

※「内観〜こころは劇的に変えられる」横山茂生・長島美稚子(株)法研1977.7.1より

参考文献

「内観〜こころは劇的に変えられる」
発行: 1997年月1日 第1刷発行
著者: 横山茂生/長島美稚子
発行所: (株)法研
定価: 1,300円
内観で<自分>と出会う
発行: 2001年9月25日 第1刷発行
著者: 長島正博/長島美稚子
発行所: (株)春秋社
定価: 1,800円
内観療法入門 ―日本的自己探究の世界―
発行: 1976年2月10日 第1版第1刷発行
1990年3月20日 第1版第12刷発行
著者: 三木善彦
発行所: (株)創元社
定価: 1,800円

(C)copyright Kobe Adventist Hospital . All rights reserved